ブログは死なず、ただ放置されるのみ。

終わっちゃいましたね。

僕とジャコの浅くて遠い関係

まあ、結論から言うと帰宅後、速攻で「Word of Mouth Revisited」を iTMS で購入してしまったわけです。

それだけだと何なので、ジャコについてのお話を少し。

私がジャコを知ったのは高校のころ、当時ブラバンでラッパを吹いていた私は、コンビニでいつも流れていた BOOWY の「マリオネット」を聴いて、ベースって8分音符でデデデデデデデデとか弾いてるだけで何が楽しいのかまったく理解できず、チューバ(ラッパの巨大なやつ)みたいにメロディアスに弾いたらおもしろそうだとか、女の子にモテるんじゃないかとか、弦が4本しかないから簡単じゃないかと思ってベースを始めることにした。ちなみに今では松井恒松さんのベースはとてつもなくすごいと思うし、ベースなんて女の子にモテないし、弦は4本だが太いわ長いわで、いかに当時の自分がアホだったかと今書いててあきれている。

で、ベースを始めるなら、まずは雑誌とか買って情報収集しようと思ったら、どの音楽雑誌もみんな同じ人が表紙で、いったいなんなのだろうと思いつつ、やっぱり同じ人が表紙のベースマガジンを手にとった、最初のページを読むとどうやら表紙になってる有名なミュージシャンが死んだらしい。ふうん。

そんな感じでジャコと私は出会った。

死後、再販されたファーストアルバムは雑誌で絶賛され、とりあえず買ってみるかと思って1曲目「ドナ・リー」を聴いたときのショックは今でも忘れることができない。


正確に弾き出されるメロディアスかつリズミカルな16分音符のダンスの洪水。しかし、このときは「ベースでここまで早弾きができるのかすげえ」と、またアホな感想しかもってなかった。

そして次のアルバム


ジャズ雑誌で絶賛されていた「Three Views Of A Secret」を目当てに買ったのだが、3曲目の「Liberty City」が終わると(今だから思うのだろうけど)そこから先には狂気の世界の入り口が充分見えていたように思える。ラストの曲「John And Mary」でジャコの子供達の声が聞こえるが、そこに確かにあったはずの愛はジャコを救うことはなかった。

その後、ジャコは酒におぼれ、ドラッグにはまり、全てを無くし、金も持たずに酒場に押し入ろうとしたところを店のマスターに殴られ死んだ。

すばらしいミュージシャンのつまらない最後。

Jaco Pastorius Big Band/Victor Bailey - Word of Mouth Revisited iTunes


いま現役バリバリの大物ベーシストたちが、彼らの中のジャコに身をまかせて弾くベースを聴いてると、ジャコは彼らの中に生きているんだ、とか感じちゃうけど、そういう「死んで伝説に」みたいなのは嫌いなので、そういうことは考えずに聴こうと思う今日この頃です。