@hanadix REBOOTED

音楽好き(聴く書く演る)なイット系労働者の日常と妄想

いまさらながら道具箱

本が好き! というサイトで登録すると、書評を書く代わりに献本してもらえるというお話で、登録の際には書評を書いて、事務局からOKがでないとダメ、ということで、がんばって書いてみました。お題は

コンサルタントの道具箱

コンサルタントの道具箱

まあ、ここのページ見てる人は結構な率で買ってるんじゃないかという気もしますが、がんばって書いたものだし、ここにも掲載します。

(ここから)

著者のジェラルド・M・ワインバーグは、システムエンジニアプログラマなどの技術者向けの問題解決に関する本を多数書いているが、それらの中から最初の1冊としてお勧めなのが、この「コンサルタントの道具箱」である。

この本は問題に対する解決法について「知恵の箱」「金の鍵」「勇気の棒」「願いの杖」などという16のメタファーで表現している。これらを読むことで、読者は問題に対し、どう対処すべきかの「気付き」を得ることが本書の狙いである。

例えば、システム開発現場を覗いてみよう。システムエンジニアプログラマはプロジェクトを進める上で様々な「壁」に突き当たる。しかし、それは大概の場合、技術の問題ではない。技術のプロであれば、物理的な環境さえあれば、技術の問題を解決するにはマニュアルを読むか、人に聞くか、いずれにせよそれは解決できる。

問題は技術的な部分の外にある。それは例えば「ノー」と言うべき場所で言えなかったり、欲しいものを求めることを「なんとなく」あきらめたり、やるべきでないものを「何かの圧力」からやらざるを得なくなったり、などである。そして、そういう「問題」は得てして見えないところに蓄積されてゆき、いずれ爆発するまで、静かに待っているのだ。

この本は、そんな「悩みを常に抱えつつ開発を進めるシステムエンジニアプログラマ」に読んでもらいたい1冊である。この本はいろんなメタファーを使って、様々な問題に対するアプローチの仕方を教えてくれる。
「イエス・ノーのコイン」で心から「ノー」と言い、「願いの杖」で欲しいものを手に入れ、「勇気の杖」で「何かの圧力」を退ける。この本に書かれた16のメタファーはこのように、本来はもともと彼ら自身の中で眠っていた力を目覚めさせ、有効に活用できる手助けをするものである。そして、ある一人が自分らしく生き、プロジェクトを成功に導くことは、その人のみならず、その周囲の人々も幸せに導くことだろう。

私は仕事場に常にこの本を置いている。そして、何かうまくいかないときに、目次をめくる。「この16の道具のどれかが使えないだろうか」と。16のメタファー全てをマスターし、駆使する必要はない。1つずつ、自分にあったものを使うのだ。

ちなみに私がよく使う道具は「酸素マスク」だ。本書より一部引用する。
『ほかの人の酸素マスク装着を手伝う前に、ご自身のマスクがしっかり装着され、正常に動作していることを確認してください』
他人を助けたい、と思ったときに常に思い出すようにしている。他人を助けようとする自分自身は大丈夫なのか? 共倒れになるだけではないのか? と。

(ここまで)