戦後の巨星 二十四の物語
本エントリは本が好き!にて献本いただいた下記の本についての書評です。
- 著:本田 靖春
- 出版社:講談社
- 定価:2100円(税込み)
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書評データ
本書の著者、故本田靖春氏について、私はこの本を読むまで何も知らなかった。プロフィールを拝見すると、新聞記者からノンフィクション作家となり、多数の作品を書かれたという。
本書に収められた24人との対話は1984年〜85年にかけて51回にわたり週刊現代での連載の中からの24回分であるという。その24人は下記の通りである。
萩原健一、阿佐田哲也、美空ひばり、中内功、植木等、山下泰裕、生島治郎、北の湖敏満、鈴木清順、衣笠称雄、谷川浩司、岡本綾子、趙治訓、つかこうへい、立花隆、桂三枝、井上陽水、落合博満、手塚治虫、ビートたけし、中上健次、長島茂雄、野平祐二、フランク永井。
本書全体を通じて、本田氏がインタビューにあたって、対談相手に対し、十分準備して知識をもち(それはプロとして当然の仕事だと思う)その上で「相手がこれまで受けたことのない観点でインタビューをしよう」という姿勢を感じた。それは氏が作家であるということから考えれば当然といえば当然のことではあるが、それを私のような背景についての知識のないものにも感じさせ、おそらくは実現させているのは、やはりプロの仕事であり、非常に読み応えのある対談となっている。
1984年当時私はまだ中学生だった。当時既に成人しており、対談相手の活躍をリアルタイムで見てきた人たちには本書をもっと楽しんで読むことのできるだろう。
なお、個人的に一番楽しめた対談は最後のフランク永井氏との対談である。本田氏自身が大ファンで最終回に是非とも、と依頼したとのことで、本田氏のハイテンションが読んでる私に伝わってきて、永井氏の曲を聴く機会を是非作りたいと思った。
最後に各対談で印象に残った部分を引用しようと思ったのだがあきらめた。引用のために改めて読み直したのだが、引用したい部分が多すぎるのだ。実際に読んでその内容の濃さを実感して欲しい。