CGMマーケティング 消費者集合体を味方にする技術
本エントリは本が好き!にて献本いただいた下記の本についての書評です。
- 著:伊地知晋一
- 出版社:ソフトバンク クリエイティブ
- 定価:1890円
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基本的に Old Type を自認する私にとって Web2.0 というキーワードなどに対して本能的に拒絶反応があるようで、本書も最初は好感をもっていなかったのだけれど、他の方々の書評が非常に好意的だったので、今回献本を依頼しました。
内容については、著者がライブドアの方であるにも関わらず、はてなや mixi、WikiPedia と、さまざまなものが紹介されており、自社の宣伝になっておらず非常にフェアな内容です。
読者として想定されているのは私のような技術者ではなく、どちらかというと、技術的にはうといけれどネットを活用してビジネスを展開したいと考える人だと思います。現在のネットの状況を軽すぎず重すぎず丁寧にまとめて紹介しており。非常にわかりやすく感じるとともに、私が知っている領域において誇張などがなく、非常によいと感じました。
というわけで、Web2.0 や CGM に対して知識がないが、これらを利用したビジネスを考えている方にとって読んでおいて損はない1冊です。というわけで★5つ。
以下おまけ。(もしかしたら主題)
Web1.0 の世界で成功するということは、自分の作ったモノがネットを通じて他者に受け入れられるということだったわけですが、Web2.0の世界で成功するということは、自分の作ったモノはあくまで開始点であって、その後、双方向コミュニケーションによって、他者のフィードバックを反映し、コミュニティーでよってこって、よりよいものを作ってゆく、ということなのかと思いました。Linus が Linux を作り上げたバザールモデルと同じものなのかな、とか思いました。
いま Web2.0 というキーワードが一人歩きしているというように思いますが、昔ながらの 1.0的コンテンツが無くなるわけではなく(それは本書にも書かれています)、また1.0的でないと作れないものというのがあるわけで、それらをちゃんと理解して、自分主体にモノを作るのか、みんなでよってこって作るのか、と要は使い分けが重要なのだと思いました。
また、Web2.0においても最初のタネはどこかの誰かが作るものであり、そのタネである0.9が生まれる土壌作りというのも重要なのではないかな、と思ったりしました。