ブログは死なず、ただ放置されるのみ。

終わっちゃいましたね。

kVM

というわけで kshイパネマの娘You make me feel brend new を稚拙ながら訳してみて思ったのが「おそらくは完璧な翻訳というのは不可能で、できたとしても自分には不可能」という、ごく当たり前のお話でありました。当たり前なんだけど、思っただけと、実際にやってみた上での感想はやっぱり違うので、ヘタはヘタなりに何事もやってみるのは悪くないと思いました。

例えばイパネマの娘の「é mais que um poema」なんてのは直訳すると「詩より良い」となるわけで、これが女性を賞賛するための日本語として使えるとは到底思えなくて、少ないボキャブラリーを駆使した結果が「『美しい』という言葉そのもの」なんていう原文をとどめてない表現になったりするんですが、こっちのほうが直訳よりはマシではないかと。

「You make me feel brend new」というタイトルそのものも「君は新鮮な気分にしてくれる」ぐらいが直訳だと思うんですが、歌詞をたどると、すごくつらいことがあったのを助けてくれたあなたへの感謝の言葉なわけで、そのへんを勘案すると「新しい僕をくれた君」なんていうのをひねり出すまでには結構時間がかかったわけで、「God bless you」なんて、キリスト信仰のない私にはその語感は到底理解できるわけはないだろうことから宗教的直訳にならざるを得なかったりして。

こうやって2つの言語を行き来すると、どちらでもない中間言語があるような気がしてくる。日本語でなんと書いたらいいのかわからないけど、元の英語もしくはポルトガル語で言いたいことはなんとなくわかる、という状態。昔から「自分は日本語で考えているのだろうか?」と思っていたけど、やはり kVM (ksh Virtual Machine :-) バイナリコードで動作してるのだろう。

技術英語でそういう苦労をほとんどしないのは、やはり概念自体が英語で入ってきてるからか。例えば Agile development を「アジャイル開発」とか言わずに「俊敏性重視開発」なんていうと「アジャイルだからドキュメント書きません」なんて人はちょっとは減ったのかもしれないけど、なんか中国産っぽくて誰も手を出さなかったかもしれません。

ちなみに kVM は(まだ言うか)プログラム動作環境としては、まずは PC-8001 の N-BASIC の動作を模擬するプラットフォームとして実装され、その後、某汎用機リアルタイム機能を搭載し、FORTRAN での動作もサポートし、その後、UNIX + C でスクラッチから再実装した後、オブジェクト指向を Ruby1.1と共に取り入れました。現在は関数型言語や遅延評価をサポートするべく開発が超スローペースで進んでおります。
人間向け言語としては、日本語ベースですが、英語(ただし read only)をサポートし、今後ポルトガル語を追加予定。

来年は剣道初段をサポートしたバージョンをリリースしたいです。