「クリエイターの時間」を守るということ
はてなダイアリー を読んで思ったこと。
私は別に自分をクリエイターだとは思ってないけど、その昔、大まかな仕様と新しいマシンだけあって、細かいところはよろしく、なプロジェクトでゴリゴリとコードを書いていた。そんなとき、自分は「1日に2回しかチャンスがない」と思っていた。
午前中は頭が回らないので、雑用を片付ける。
午後になると徐々に集中力が出てきて、今まで頭でぼんやり書けていたソースが指からぴゅるぴゅると出てくる。自分のタイピングの遅さに苛立った。
こういう時間が3時間ほど続く。するとそこにはばっちりコードが書けている。動かしてバグがあると、自分で仕掛けたトラップにつかまる。問題箇所の特定は数分で終わる。
そして、ものすごくクリアだった頭に霧がかかり始め、あんなにはっきり見えていた「やるべきこと」が霧の向こうに消えてしまう。
こういう時間が夕方にもう1回くる。
この2回のチャンスを生かそうとするのだが、そこに会議やなんやが入ると1回失う。そんな日々だった。
そしてプレイングマネージャみたいな感じで仕事をするようになってくると、やり方が変わる。メンバーがそういう状態になれるように仕事は固まりで渡して、それらを邪魔する雑用を自分で片付けるようになった。
ときどき大きなコードが要る雑用が入ると、3時間を確保する。それで一気に仕上げる。
それが、最近、ついにコードに触れないようになってきた。プレイングマネージャじゃなくて、マネージャ専門になってしまった。偉くなり権力と給料がついてくるならいいのだが、それは残念ながら無い。偉い人のいうことをチームメンバに「やらせる」係らしい。人から「やらされる」ことが嫌いな私にとって、これほど不向きな仕事も珍しい。
本当に偉い人は「経営者の時間」でやって来て私に色々と要求する。私は慣れない「経営者の時間」で対応する。
そして私は細切れの「経営者の時間」を「クリエイターの時間」に纏めて、メンバーに投げる。纏まらなかったものを自分でやる。
今、私の近辺(ネット越し含む)には「経営者の時間」で動く人が沢山いる。がんがん電話をかけてくる。メールに「例の件、決まりましたので今週中でお願いします」なんて木曜日の夕方に書いてくる。例の件ってどれだよ。私たちに金曜日にやるはずの仕事があるとか、そういうことは考えないのか。まあ、理由はわからんでもないのだが。
ある日メールが飛んだ。
「開発チームには管理の都合上より短めの日程で依頼して、無理と言われたらそこから考えるように」
管理チームの偉い人からの内部メールが、開発者メーリングリストに間違って飛んできた。
いや、理屈はよくわかるんだが、頭来るよ。
技術的な常識で考えればあり得ない日程を提示されて、それに対して「X日までは無理です」という返事をしたら「X日の理由を教えてください」「こういう理由でむずかしいんです」「詳細化して、それぞれに必要な日数を報告下さい」…、ということに時間が浪費される。
こういうやりとりをチームメンバーまで流さないようにしたかったけど、自分でコード書いてないので限界が出てくる。だけど、1日2回の1回が消えたときの悔しさを思って、できるだけ『「クリエイターの時間」の隙間』にヒアリングする。私はみんなの「クリエイターの時間」を守ったと思ってる。
そろそろ「クリエイターの時間」は終わりに近づき、これからは「問題 VS 私たち」のフェイズに入る。
果たして私の行動は成果を出すだろうか。
でも、いつもは休日出勤しないメンバーの一人が、頼まなかったのだが「明日は昼から来ます」と言ってくれた。
「明日は都合が悪い」という人は「何かあったらどんどん電話してください」と言ってくれた。
幸先はそんなに悪くないんじゃないかな。
わからんけど。