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終わっちゃいましたね。

Microsoft はどこへ行くのか

Apple が元気で Microsoft に元気がない今日この頃。新しい iPodMacBookOS X は話題になるが、Vista に乗り換えたという人はネットも含めてほとんど聞かない。

Google の脅威について、対Microsoft な話は良く聞くが、対Appleの話はついぞ聞かない。不勉強だからと言われれば確かにそうなので情報求む。

で、ちょっと考えたのだけど、実は Microsoft というのは Web2.0 的アプローチを先取りしていたのではないか、という気がしたので、ちょっと書いて整理してみる。

まず Microsoft はインターネット黎明期からまさに花開かんとするとき、独自ネットワーク MSN の普及に躍起になっていた。が、それが無理とわかるや大胆に舵を切り、すかさず TCP/IP をサポートし、また IE の開発に着手した。IE でしか見れないページを普及させ、Netscape を倒した。なぜ IE が勝ったのかというと、普通の PC に IE がプリインストールされていた(ここらは黒い逸話も多い)こともあるが、IE が一般ユーザーの潜在ニーズを実体化するために手段を問わなかったことが成功したこともあるだろう。少数派が抱える問題のFIXよりも多数派が望むであろう機能の追加が優先された。Office についてもまたしかり。こうして Office も巨大なアプリとなり、1ユーザーから見ると「こんなのまでいらないよ」というものがてんこもりなのだが、それがあるのは、おそらくある程度以上の数のユーザーからは求められる機能だからなのだろう。毎日が紅白歌合戦。それが Microsoft Office

そして Windows Vista がリリースされた。しかし私は Windows2000 で問題ない生活を送っている。Vista がないと困る人はどのぐらいいるのだろう? とりあえずわからない。

私が思うに Microsoft は少なくとも一般ユーザーの求める機能を Windows2000 + Windows Update で既に全て実装してしまったのではないだろうか。今、私にとって Windows でもっとも気になることは、起動したときに Windows Update が必要かどうかだけだ。

一方 Apple はどうか。ジョブスが復帰してから生み出された OS X, iMac, iPod, iTunes, Music Store. これらは「ないと死ぬわけじゃないけど、あるとうれしい」ものばかりで、そして、決して Google が提供できないものだ。Google OS は開発中かもしれないが、その上で動くのは iTunes であり、gTunes ではありえない。

ある日、ビル・ゲイツは「今後 Microsoft は新機能のリリースより Bug Fix を優先する」と宣言した。それは「一般ユーザーの求める機能を Windows2000 + Windows Update で既に全て実装してしまった」ことを悟ったからなのではないだろうか。

「あるとうれしいものを売る」Apple と「すごいものをタダで配る Google」に対し、Microsoft はこれからどうやっていくのだろうか。彼らには膨大なキャッシュがあるから10年はつぶれることはないだろう。しかし彼らが得意としていた「No.1 に猛スピードで追いつき追い落とし、それにとって代わる」ことはもうできないのだ。

もしかしたら、.NET Framework で過去を清算し、Windows Update でアフターサービスを提供し、Visual Studio Express を無償提供し…、メンテナンスモードに入る決意なのだろうか、などと思った。すくなくとも PC においては。

そして「ユーザーのニーズをすばやくつかみ提供する」というのが、Web2.0 的アプローチの一部だというのなら、今ある Web2.0 系のサービスの未来は Microsoft の行く末を見ることで予測可能なのではないか。

とか思いました。